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当院の不妊治療

男性不妊

男性不妊の概要

男性側の不妊原因の90%以上が精子を作る機能に障害がある「造精機能障害」という結果になっています。そのうちの約半分は原因が特定できますが、残りの半分は原因が不明です。

造精機能障害90%

男性不妊の治療

精液検査の結果をもとに薬物療法や外科手術、または体外受精を行います。

精液検査の所見は、定められた基準で評価されます。(WHOガイドライン)

精液所見からの分類

  • 乏精子症(精子の濃度が15×10⁶/ml以下)

    精液中に精子を認めるが、数が少ない症状。重症例は顕微授精が必要。

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  • 精子無力症(精子運動率が40%以下、または高速に直進する精子の率が32%以下)

    精子数は正常であるが、精子の運動率が悪い症状。重症例は顕微授精を行う。

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  • 精子奇形症(正常形態精子が4%以下)

    元々精液には奇形精子が多く含まれるが、正常精子が5%未満は顕微授精が必要。

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  • 無精子症(射出精液中に精子が全くない)

    造精機能障害の中でも重い症状。

無精子症

無精子症は、大きく2つのタイプに分かれます。
睾丸の造精機能が不足している場合(非閉塞性無精子症)と、睾丸と尿道をつなぐパイプ部分に問題がある場合(閉塞性無精子症)です。同じ無精子症という言葉ですが、これらの原因と治療法は大きく異なります。
また、無精子症というと精子が全く存在しないと思われがちですが、実は無精子症と診断された患者さんの精巣内を検査したところ、44%の患者さんにわずかですが精子を認めることができました。この場合は陰嚢から精子を採取し顕微授精(ICSI)を行うことができます。

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※ 無精子症の場合、以下の方法で精子を回収します。

  • TESE

    陰嚢を切開し、精巣内から精細管を採取して精子を回収。
    局所麻酔が必要。

  • MD-TESE

    陰嚢を切開し、顕微鏡下で精巣内から状態の良い精細管を採取して精子を回収。
    全身麻酔、脊椎麻酔が必要。

  • PESA

    陰嚢を切開せず針を刺して精巣上体から精巣上体管液を吸引し、精子を回収。
    局所麻酔が必要。

  • MESA

    陰嚢を切開した後、カテーテルで精巣上体管液を吸引し、精子を回収。
    腰椎麻酔が必要。

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酸化ストレスと男性不妊

酸化ストレスとは、生体内で発生する活性酸素種(Reactive Oxygen Species:ROS)による酸化反応が抗酸化力を上回った状態のことです。ROSは体内においてDNA損傷、脂質過酸化、蛋白質の変性、酵素の失活をもたらし、様々な疾病や老化亢進につながると考えられています。

不妊原因の約半数が男性であると言われており、男性不妊の原因の一つとして酸化ストレスが報告されています1)。精液中の高いROSは精子の質に悪影響を与える可能性があります。例えば精子のDNA損傷、脂質過酸化およびアポトーシスの誘導などです。特に精子のDNA損傷は受精率低下や流産率上昇を招いたり、脂質過酸化は精子の濃度および運動性に悪影響を与えるとの報告1)があり、近年、酸化ストレスの軽減が精子の質を改善するために重要と考えられています。

このように精液の酸化ストレスや精子DNA損傷の程度を測定する精液精子機能検査を行うことで、男性側の隠れた不妊のリスク因子がわかる可能性があります。
高酸化ストレス状態やDNA断片化率が高いと判定された場合は、
精子の質の改善を目的とした

「生活習慣の改善」や
「抗酸化サプリメント服用」、
「精索静脈瘤の評価や手術」

もしくは、
「ARTへのステップアップ」

など、今後の治療方針を判断する重要な情報になりうると考えられます。
ただし、現時点ですべての患者さんに行うべき検査の位置づけではなく、下記のような方は精子精液機能検査が考慮されると考えられています。6)

① 原因不明不妊
② 反復ART/人工授精 不成功
③ 反復流産、不育症
④ 精索静脈瘤
⑤ ART施行前
⑥ 問題のある生活習慣や環境暴露

精子精液機能検査

一般的な精液検査(液量、濃度、運動率、奇形率など)ではわからない精液の酸化ストレス度や精子DNA損傷(断片化)率を測定し精子の機能や質を高度に評価する検査です。
当院では、以下の精子精液機能検査を行っております。

① 精液中の酸化ストレス度を測定 (ORP: Oxidation Reduction Potential)

精液中の酸化ストレス度を、分子間の不安定な電子量を測定し、酸化還元電位(Oxidation-Reduction Potential : ORP)として酸化力と抗酸化力のバランスを総合的に測定するMiOXSYS®という機器が開発され、短時間で測定することが可能となりました。 
この測定結果から通常の精液検査では分からない精液中の酸化ストレスレベルを数値として見ることができます2)。ORPと精液所見との相関性の報告1,3)もあり、男性側の不妊治療の必要性や方針の決定に役立てられると考えられます。

(結果報告:当日)

② 精液中のDNA断片化率を測定(DFI検査:DNA Fragmentation Index)

精子が酸化ストレスなどのダメージを受けることで精子のDNAが損傷することがありますが、DNA断片化指数検査(DFI検査)を行うことで、DNA損傷のある精子の割合を調べることができます。
受精後3日目以降の胚発生には精子DNA構造の完全性が関与しており、精子DNAが損傷している割合(断片化率)が高い場合、胚発生の低下、着床・妊娠率の低下や流産のリスクが上昇すると言われています5)。ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)の不育症診療ガイドラインでも考慮される検査項目として挙げられています4)

(結果報告:約14日)

1)Agarwal A et al , World J Mens Health. 2019;37(3):296-312
2) Agarwal A et al, Asian J Androl.2019;21:1-5
3) Agarwal A et al, Reprod Biomed Online.2017;34:48-57
4)ESHRE guideline 2017 Recurrent Pregnancy loss
5) T Jan et al. Human Reprod.2004;19:611-5 
6)Agarwal A et al , World J Mens Health. 2020;38(4):412-471

酸化ストレス・高DFIが指摘され、精子の質の低下が疑われる方

抗酸化サプリメントの服用は、生活習慣の改善や精索静脈瘤の治療と共に精子精液の酸化ストレスやDFI低減による以下のような効果が期待されます。

① DNA断片化率が有意に低下1)2)
② 精子濃度、運動率、奇形率の改善3)4)
③ 臨床的妊娠率や生産率の有意な上昇5)

ただし、漫然とした抗酸化サプリメント摂取は、還元ストレスを亢進し精子機能にネガティブな影響を及ぼす可能性6)7)もあり注意が必要とされます。
抗酸化サプリメントの服用を検討される方は、医師にご相談ください。

1)Gual-Frau et al,Human Fertil(Camb)2015;18:225-2259
2)岩端ら 日本泌尿器科学会総会2018
3)Fertil Steril 2009;91:1785-1792
4)Abad C, Andrologia 2013;45:211-216
5)Cochrane Database Syst Rev, 2019;3:CD007411
6) Parviz G et al,Human Reprod 2011;26:1628-1640
7) Francesco L et al, Asian J Androl 2011;13:690-697

補足)
⑥ 問題のある生活習慣や環境暴露とは

1 喫煙、アルコール
2 肥満、糖尿病
3 高温環境(サウナやインフルエンザによる高熱など)
4 自転車サドルによる会陰部圧迫
5 長い禁欲期間
6 放射線、化学療法
7 農薬、ビスフェノールAなど

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